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二次相続にむけての準備

明人さんは、父親の後を継いで製本会社を経営しています。

父親は既に3年前に亡くなっており、明人さんは母親と同居しています。

また、お姉さんが一人いますが結婚していて、近所にこそ住んでいるものの、明人さんの経営する製本会社には一切関わっていません。

作業中

母親は明人さんの経営する製本会社の株式の70%を保有しています。

これは、父親が亡くなった時の相続の結果です。残りの株式は創業時からの役員が保有しています。

父親が亡くなった時は、相続の準備は全く出来ていませんでした。


税理士に依頼して父親の資産を査定してもらった結果、事業のための借金を差し引いても

自宅や会社の資産などを合計すると結果2億円にもなりました。

税理士によると、2億円の財産を法定相続分の通りに、母親1/2、明人さん1/4、お姉さん1/4で相続すると、相続税が950万円になるとのことでした。

しかし母親は配偶者税額控除があるので相続分が法定相続の50%なら相続税はかからないとのことです。

ですが明人さんとお姉さんは1人475万円という多額な相続税が必要です。

明人さんも、お姉さんもそんな大金は用意出来ないと頭を抱えました。

 

そこで税理士に相談したところ、配偶者税額控除は法定相続分の範囲か1億6千万円までなら税金はかからないとのことでした。

そこで、母親の相続分を80%(2億円のうちの1億6千万円)にし、残りの20%を明人さんとお姉さんで均等に分け相続することにしました。

父親は事業に資金を投入していたので、遺産に現金はほとんどありません。

1億6千万円は会社の株式で、残りは不動産と現金でした。

そこで、株式を母親が相続し、明人さんとお姉さんで残りの不動産と現金を分けることにしたのです。

配偶者の配分列

メモ

母親の相続分を多くしたため、今回の相続(一次相続)での税金は380万円と当初よりかなり抑えることが出来ました。

 

しかし、あとから調べてみると、母親がなくなるときの相続(これを二次相続と言います)では配偶者税額控除がないため、母親が相続した1億6千万円の財産に対して1400万円の税金がかかることがわかりました。

今回の相続後は、事業を進める上で大株主となった母親に承認を取らないといけないことも増え明人さんの思い通りにいかないことも多く、ストレスも増える一方です。

しかも二次相続では、株式を相続することになります。

このままではこれまで経営に全く関与していないお姉さんが株主になり、明人さんは経営が今よりもやりにくくなることが心配になりました。

また、相続税の支払いにも多額のお金が必要です。

 

そこで、明人さんは二次相続に向けた準備を進めることにしました。

暦年贈与の110万円までの非課税枠の活用や、会社の遊休地へのアパート建設など様々な計画を進めていきます。

父親が亡くなる前から事業継承の準備を進めていれば、一次相続での母親の配分割合を少なくすることが出来ました。

明人さんはもっと早くから相続について勉強しておくべきだったと悔やんでいます。